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新しい家の形 : 家の可変性について

 在宅勤務によって自由な勤務形態を謳歌した方がいる一方、不自由な生活を強いられた方もいるのではないか。特に不自由さの大きな原因に住宅を掲げる人も多いはずだ。かくいう私もその一人であり、この事象を今回だけと捉えず、人生100年寿命を迎える私たちに警告を発していると考えてみたい。つまり、長寿社会における私たちの住宅について、あらためて考える契機とし、どのような点について考慮すれば良いかを探っていく。

 いきなりの在宅勤務命令は、否応なく自宅に仕事を持ちこまざるを得なかった。しかし、現在の都心の自宅はスペースが限られている。伴侶も家庭内に仕事を持ち込み、子供も学校に行けずリビングにたむろしている。いったいどこでパソコンを操作すれば良いのか?
 一昔前の日本の家は、冠婚葬祭なんでもこなすことができた。構造自体が柱、梁による軸組工法で、襖や障子によって仕切られているだけで、用途は規定されず自由に畳の間を利用できる。そのような家なら、仕事を持ち込んでも問題は少ないだろう。都心のマンションでそのようなことはできないのだろうか。
 そのヒントはオランダにある。20世紀初期に作られたリートフェルト作のシュローダー邸である。

                 (PARCO出版局「デ・スティル」ポール・オバリー著 由水常雄訳より転載)

 ここに掲げた図は2階平面図。間仕切りが収納された状態では、2階全体が一つの大きな広間となっている。可動間仕切りを閉じると3つの寝室とリビングダイニングに分割される。廊下らしきものが階段の周囲に少しあるだけで、各部屋から風呂や浴槽も使用でき、とても効率のよさそうな空間である。
 この例を参考にすれば、日本のマンションもかなり違ったものになる。一般的なマンションの場合、個室の間仕切りを一旦取り払い、水回りだけを残したとする。そうすると、さまざまに利用可能な広い空間が確保できる。

 いずれにしても、都市のマンションは狭い空間の中に固定的な壁が多すぎるように思う。もう少し、緩やかな間仕切りを採用することで、今回のような事態にも対応でき、さらにリビングが格段に広くなることで、家族との楽しみ方も増えるのではないか。
 可動間仕切りを採用した可変性の高いマンションのプランについては、別途提示したい。

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